まるっと天竜川

　これまでの３年間、再生連絡会は(1)アユの餌となる付着藻類と魚の生産量の調査、(2)産卵床の整備、そして(3)活動を紹介、情報発信のためのホームページ作成、これらをテーマに活動してきました。とくに、天竜川漁協さんおよび３名の先生と電源開発が協調しできたこと、さらにそこに国土交通省がオブザーバーとして参加して下さったことは、確かな成果ではないだろうかと自負しております。それぞれの立場や利害関係を超えた次元で、環境改善のために共に行動することは再生連絡会の理念そのものです。

　27年度からは再生連絡会の活動第二段階として、アユの生活史（ライフサイクル）に関わる個体群の変化や稚魚の放流の役割等を考え、時間・空間的な視点からアユの生息環境に影響を及ぼす要素を取り除いて行くとともに、生産性を上げるための方法論の改善や新たな対策を考えたいと思っています。特に、付着藻類と河川環境の関係性やアユにとって必要な河川の物理的な管理の実現など、魚が元気に育つ環境を具体的に創成するために工夫や新しい技術を考えていきます。

　また、直近では浜松市の市民団体にお招きいただき、映画「ダムネーション」の上映会＆トークイベントに初めて参加しましたが、このような他団体との交流も相互の理解と発展のために積極的に拡大していきたいと思います。

J-POWER技術開発センター茅ヶ崎研究所
喜多村雄一