第19回天竜川天然資源再生連絡会

第19回天竜川天然資源再生連絡会の様子

日 時

平成26年9月11日(木)13:30~16:50

場 所

天竜川漁業協同組合2階会議室

出席者

たかはし河川生物調査事務所:高橋農学博士
名古屋女子大学:村上教授
京都大学   :竹門准教授、兵藤氏((株)いであ)
天竜川漁協  :平野組合長、鈴木(修)総務委員長、青島業務委員長、
        鈴木(長)業務副委員長、中谷総務委員、井口相談役、
        谷高事務局長、杉田委員、
国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所調査第一課:吉田課長
        電源開発(株)
茅ヶ崎研究所:喜多村シニアエキスパート、
中部支店  :斎藤支店長代理
用地G    :戸田GL、菅原、
(株)JPビジネスサービス社会環境部環境防災システムG
      :小林

目 的

  1. 活動報告
    1. 高橋農学博士
    2. 村上教授
    3. 竹門准教授
    4. J Power
  2. 国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所調査第一課長 吉田光則さまより
  3. その他(次回開催について)

内 容

高橋勇夫

  • 2014年のアユの遡上量は2013年と同程度であるとの報告がなされた。
  • 2014年は、3月から遡上が始まり、4月にピークとなり、5月には終わってしまうという、短期集中型の遡上であったとの報告がなされた。
    流下量は2012年よりも2013年の方が多いが、遡上量は2013年と2014年は同程度となっている原因は、海でのアユの生産量の差ではないかとの説明がなされた。
  • なお、海の環境変化については、通年の傾向と違うということはわかるが、何が原因となっているかはわからないとの説明がなされた。    釣り客の確保のために、アユ釣りの解禁時期を早め、釣期を2度作るという提案がなされた。
  • 但し、静岡県の漁業調整規則では、アユ釣りの解禁は6月からとなっているため、解禁時期を早めるためには県との調整が必要であることから、試し釣りの際に、釣れたアユが天然魚か放流魚かの調査を行うべきとの提案があわせてなされた。

村上哲生

  • これまでの連絡会の活動の総括を行う報告書のまとめ方についての提案がなされた。
  • まとめ方について、「現存量・生産性」「環境創出」「情報発信」の3つを柱として、JPが目次案を考えることとなった。

竹門康弘

  • 産卵床造成事業を実施することが決定された。
  • 造成事業に係る許認可の申請については、漁協を窓口にして行うこととなった。

喜多村雄一

  • 佐久間ダムにおいては、出水時に濁水防止膜により濁水を早期排出することにより、湖内で濁水が拡散すること防止できているとの報告がなされた。
  • 1996年から2013年までの河川環境調査やアユに係る調査の項目ごとの相関関係をまとめたところ、海水温、窒素、付着藻類と漁獲量に正の相関があることがわかったとの報告がなされた。
  • 一方で、2006年から2013年に絞って相関関係をまとめると、窒素、酸素濃度と漁獲量には正の相関関係があることがわかるが、付着藻類と漁獲量は相関関係が小さいという結果となったため、今後分析結果を精査する必要があるとの説明がなされた。
  • 茅ヶ崎研究所での研究の結果、河川においては、ある一定の流速を超えた時点で、礫やシルトが動き出すことがわかったことから、研究結果を用いることで、低濁度でダムを運用できる可能性があるとの説明がなされた。一方で、継続的に低濁度での運用を行うと、ダム湖内に大量のシルトが蓄積されることから、低濁度で運用しつつ、時折、水位を下げてシルトを放出するのが、今後のダム運用としては良いのではないかとの説明がなされた。

国土交通省:吉田課長

  • 今夏の天竜川の渇水の状況及び天竜川周辺の清掃活動について説明を受けた。