ダム放流による河床への影響などを高精度にシミュレートするこの模型は、平成25年8月から実験データ収集を開始(実験開始当時の様子はこちら)。現在は今年6月と10月(3回洪水が発生)における最新河床を再現し、(1)ダムの放水量が大幅に増加する洪水時の地形に対する長期的対策工計画(最終形状)の確認、(2)ダム直下左岸における護岸等の安定性確認、(3)長期的対策工の施工中における安定性の確認を目的とし、年内いっぱいの実験を予定している。
可搬ポンプ(消防ポンプ)による河床洗浄実験は今年5月末に天竜川で開始。その後に続いた悪天候で中断されてしまったものの、電源開発では1/8スケールの模型によって水流の吐出量や吹付角度など効率的な方法をこの実験により検討・確認。現場での実験再開で即座に対応するためのデータ収集を行なっている。実験に使用する河床の砂礫は20〜40mmの大きさに揃え、実物では320mmまでの大きさを想定している。
マイクロバブルとは直径50μm(0.05mm)以下という非常に微細な気泡で、①水に溶けやすい、②泡が壊れにくく微細な状態を持続するため水中に均一に分散する、③浮上速度が極めて遅いという、通常の気泡とは異なった性質を持っている。
これを利用する事で水質浄化(水中に漂う汚濁物質を自らの上昇に伴って水面へ浮上させるため、汚れを水面で容易に除去できる)、および水中生物の活性化(マイクロバブルは内包した空気を、溶かしながら水中で消滅するため溶存酸素量を増加させる)に、大きな効果があると期待されている。
このマイクロバブルによる効果はいずれも、環境に対する負荷や影響がほとんどなく、また発生装置は水の渦流に大気を巻き込み金属板によってこれを微細に粉砕するという原理なので、環境に優しく実用化も容易と考えられる。