(株)電源開発茅ヶ崎研究所における河床洗浄実験前予備実験レポート

前日、天竜川で実験用の石を採取してきました。

この実験は、天竜川で行なおうとしている河床洗浄において、河床に当てる水流をどのような状態(水圧、噴射ノズルの距離、噴射時間等)で石に当てると、効率的に付着藻類を除去できるか事前に調べるものです。

実験装置には実際に村上教授が採取してきた石をセットし、そこに任意の水流を当てる事によって、石の表面や周囲でどのような水の動きが起こるのかを測定。採取したデータを解析する事で、今後製作する洗浄装置の仕様を絞り込んで行きます。

まず、採取してきた石の付着藻類を調べます。

付着藻類調査でおなじみのベントトーチを使って、実験前に石の表面に付着しているアユの餌となる珪藻類や藍藻類 (釣師に、「コケ」や「アカ」と呼ばれている)の生育を阻む緑藻類の状態を確認します。

石を実験装置にセットします。

本実験は上部のノズルから高圧の水流を当て糸状の緑藻類を剥がすことが目的。予備実験ではそのためのノズルからの石までの距離・時間・水圧の強さなどを計測し、より効果的な方法を探り当てます。

実験の原理は動画のように非常に単純な物ですが、形が一定せず複雑な形状である石の表面に、想像以上に強固に付着した藻類の除去は一筋縄ではいきません。このため、その方法論を含めて、効率的な付着藻類の除去を考えて行く必要があります。

石を取り出し、再び付着藻類を調べます。

レーザーを使って、ノズルから噴出される水流の流速を測ります。

通常の流速計を用いた方法ではノズルから噴出され石の表面を流れる水の流速が測れないため、レーザーを用いて流速を測ります。解析では、水流によって水中に拡散する可視化トレーサー(中性粒子)の流れをレーザー光線で浮き上がらせ、それを高速度撮影しますが、可視化トレーサー(中性粒子)の投入やレーザー光線の照射角度や方向によって、その見え方や映り方がかなり異なる事が判明。今後は最も解析に適したセッティングを模索する必要があるようです。