第22回天竜川天然資源再生連絡会

第22回天竜川天然資源再生連絡会の様子

日 時

平成27年4月15日(水)13:45~16:30

場 所

天竜川漁業協同組合2階会議室

出席者

たかはし河川生物調査事務所:高橋農学博士、間野(アイノ)研究員
中部大学   :村上教授
京都大学   :竹門准教授
天竜川漁協  :平野組合長、鈴木(修)総務委員長、今場総務副委員長、
        青島業務委員長、鈴木(長)業務副委員長、
        業務副委員長、中谷理事、谷高事務局長、秋山前組合長
国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所調査第一課:吉田課長
電源開発(株)
 茅ヶ崎研究所:喜多村シニアエキスパート、
 中部支店  :野々村副支店長、斎藤支店長代理(浜北区駐在)
 用地G     :戸田グループリーダー、菅原、
(株)JPビジネスサービス社会環境部環境防災システムG
       :小林グループリーダー

目 的

  1. 活動報告
    1. 村上教授
    2. 竹門准教授
    3. 間野研究員
    4. J Power
  2. 国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所調査第一課長 吉田光則さまより
  3. 連絡会「報告書」とりまとめについて
  4. 河床洗浄補助機材について
  5. その他

内 容

村上哲生

  • 報告書作成の進捗状況について説明があった。JPとの共同執筆部分については、5月の連休明けに打ち合わせを行いたいとの考えが示された。
  • 過去の天竜川を示す写真の収集及び、天竜川関係資料の文献リストについては来年度の報告書に掲載したいとの考えが示された。
  • 今年度の研究テーマとして「河川洗浄が付着藻類の成長に与える影響調査」及び「産卵床造成のための築堤造成によって生じる藻類の過剰成長に係る調査」が挙げられた。

竹門康弘

  • 置土による産卵場造成実験の結果報告及び今年度計画の報告が行われた。
  • 実験場における築堤内水面高計測・水質調査・流量収支調査・河床軟度調査の報告が行われた。
  • 本実験において築堤の透水率が低かったのは、小さな砂利を踏み固める形で築堤が造成されたためであろうとの考えが示された。
  • 堤防造成時の土砂の流出状況から、柔らかい瀬を作る際は、目標地点の上流数十m以内に置土をすべきであることがわかったとの報告が行われた。
  • 築堤の透水効果は短期間しか得られず、恒久的なものにならないことから、低費用で造成する方法を考えなければならないとの考えが示された。
  • 今年度は産卵期に実験を行い、アユへの影響を確認したいとの考えが示された。
  • 実験に最適な場所となる、産卵床になるポテンシャルの高い箇所を抽出する方法が示された。
  • 天竜川のアユは深瀬に産卵するという意見に対し、産卵に適した浅瀬が無いためにその様な結果になっているのではないかという考えが示された。
  • 本実験に対する、天竜川漁協組合員からの意見が紹介され、受け入れるべき指摘は受け入れ、今後の活動に反映していくことを一同で確認した。

間野研究員

  • 長良川における稚アユの小型化についての研究が紹介された。
  • 小型の稚アユは、遡上後もサイズの大きい放流稚魚により、縄張り形成ができず、成長が抑制されるとの説明がなされた。
  • また、大型に成長した個体は友釣りによって採捕されてしまい、残った小型のアユが遅い時期に産卵することになるため、結果として、再度、小型の稚アユが形成されることになるとの説明がなされた。
  • 以上を踏まえ、アユの小型化を改善する方法として、放流稚魚のサイズ及び量の最適化、大型魚を採捕することになる友釣りの部分的規制、産卵初期の漁獲規制などが挙げられた。
  • 稚魚の放流について、天然資源にとって良いことと、漁協運営にとって良いことは区別して考えるべきであるとの説明がなされた。

喜多村雄一

  • 平成27年度の活動として、活動の取り纏め、調査・評価方法の検討、改善技術の検討が挙げられた。
  • 報告書については夏を目途に完成させることとなった。
  • マイクロアレイによる仔魚への影響調査について、今後は高濁度での試験、成魚での試験、長時間の試験を実施したいとの考えが示された。
  • 河川環境調査については、各地点の関係性や既存データを分析し、必要な調査に絞っていきたいとの考えが示された。
  • 河床砂礫の洗浄技術については、まずは模型実験を実施し、その後、現地で実験を行いたいとの考えが示された。
  • 河川内置土の流下状況解析の結果、置土の流れる距離は限られていることがわかったとの報告がなされた。
  • 佐久間調整池における濁水長期化の改善方法検討として、貯水池の下流部に人口の湖底マウンドを造成した場合の検討結果が示された。

国土交通省:吉田課長

  • 平成27年度の事業予定及びカワウ関係の取組み状況が報告された。

電源開発(株)

 連絡会「報告書」とりまとめについて
  • 提出目途が示されたこと及び時間の関係上割愛された。
 河床洗浄補助機材について
  • 開発に係る取り組み方針が示されたこと及び時間の関係上割愛された。