第32回天竜川天然資源再生連絡会

第32回天竜川天然資源再生連絡会の様子

日 時

平成29年4月27日(木)13:30~16:30

場 所

天竜川漁業協同組合2階会議室

出席者

たかはし河川生物調査事務所
       :高橋勇夫農学博士
中部大学   :村上哲生教授
京都大学   :竹門康弘准教授、高橋真司
天竜川漁協  :平野國行組合長、中谷総務委員長、鈴木業務委員長、
        谷髙事務局長
国土交通省浜松河川国道事務所調査第一課:林課長
静岡県経済産業部水産資源局水産資源課資源増殖班:吉川班長
静岡淡水魚研究会(静岡市環境学習指導員・静岡県環境学習指導員)
       :足立氏
電源開発(株)
 茅ヶ崎研究所:喜多村雄一シニアエキスパート
 中部支店  :中嶋副支店長
  用地G  :畠グループリーダー、服部GM、上野
 
(株)JPビジネスサービス社会環境部環境防災システムG
       :小林グループリーダー、石井GM

テーマ

  1. 活動報告
    1. 高橋農学博士
    2. 村上教授
    3. 竹門准教授
    4. J Power
  2. 国土交通省浜松河川国道事務所より
  3. 静岡県水産資源課より

内 容

高橋農学博士

  • 近年の流下仔魚調査のデータから主産卵場の位置を推定したところ、資源量が急減した2009年以降、産卵範囲が狭くなり、かつ下流側に移っていることがわかった。
  • 2016年の流下状況は推定67億尾であり、調査開始以降2番目に多い水準であった。

村上哲生教授

  • 天竜川における付着藻類の季節変化について報告が行われた。
  • 天竜川の付着藻類の特徴として、クロロフィル(生きている藻類)/フェオ色素(死んだ藻類)の比率が小さく、生きた藻類が少ないことが挙げられる。10月に一時的に高くなったものの、アユのエサとしては不適な糸状緑藻が中心であった。
  • 今後の研究方針としては、アユのエサとして重要な藍藻(ホモエオスリクス)の調査を中心とし、東海地方の各漁場の比較分析、再生速度の観測、河床洗浄実験を実施していく。

竹門康弘准教授

  • 昨年11月と本年2月に実施した湧水砂州調査の報告が為された。
  • 濁度は船明ダム直下が高く、流下に伴って有意に減少している。また、流心部の濁度は、近傍の砂州下端側に比べて高い値を示した。河川水中の懸濁成分は、砂州を経由することで漸次的に減少することが示唆された。
  • 今後の方針として、砂州の上端部・下端部で有機物調査及び生物調査を行うことで、砂州の濾過機能が、濁水の浄化と共に底生生物の種多様性を高める機能を有しているか検証する。

喜多村雄一

  • 今年の佐久間ダム上流域は出水が少なく、低濁度で推移している。
  • マイクロバブルに曝露したアユの遺伝子を解析したところ。稚魚では「ストレスの増加」と「細菌感染機会の減少」が示唆され、仔魚では「炎症・代謝機能」「免疫機能の活性化」が示唆された。
  • 9月3日開催予定のシンポジウムについて、プログラム(案)が提示された。今後、漁協と電源開発で詳細を協議・決定する。

国土交通省浜松河川国道事務所より

  • 今秋予定している試験内容を見ると河川法申請および各種届出が必要になる可能性が高いため、早めに実施主体を決定するとともに、所管する国交省中ノ町出張所へ早めに相談するよう要請を受けた。

静岡県水産資源課より

  • 水産資源課で内水面漁協関係の担当だった小川氏が異動となり、後任が長田(オサダ)氏となった旨報告があった。