第26回天竜川天然資源再生連絡会

第26回天竜川天然資源再生連絡会の様子

日 時

平成28年2月3日(水)13:30~16:30

場 所

天竜川漁業協同組合2階会議室

出席者

たかはし河川生物調査事務所
       :高橋勇夫農学博士、間野(アイノ)静雄研究員
中部大学   :村上哲生教授
京都大学   :竹門康弘准教授
天竜川漁協  :平野組合長、鈴木(修)総務委員長、青島業務委員長、
        鈴木(長)業務副委員長、中谷理事、谷高事務局長、
静岡淡水魚研究会(静岡市環境学習指導員・静岡県環境学習指導員)
       :足立氏
静岡県経済産業部水産資源局水産資源課資源増殖班
       :小川雄太主事
電源開発(株)
 茅ヶ崎研究所:喜多村シニアエキスパート
 中部支店  :中嶋副支店長
 用地G    :畠グループリーダー、菅原、
佐久間電力所 浜北区駐在
       :佐藤所長代理、金山
(株)JPビジネスサービス社会環境部環境防災システムG
       :小林グループリーダー、石井

目 的

  1. 活動報告
    1. 高橋農学博士
    2. 村上教授
    3. 竹門准教授
    4. J Power
  2. 静岡県経済産業部水産資源局水産資源課より

内 容

高橋農学博士

  • 2014年の孵化・流下から2015年の遡上までのアユの資源変動に関する報告が行われた。
  • 資源量が増える傾向がない状況の中で、孵化時期の早い仔魚が減耗せずに遡上してくるという今までにない現象が観測されたとう報告がなされた。
  • また、この様な今までにない現象は他の地域でも観測されたという報告がなされた。
  • その原因については調査中であり、不明であるとの報告がなされた。・調査の結果、2015年の6月から8月の間に、アユが減耗していることがわかったとの報告があった。
  • その原因について、7月の濁水の長期化および低水温による冷水病の発生とアユの肥満度の低下が挙げられた。
  • 一方で、アユの肥満度の低下については原因が特定できないとの報告がなされた。
  • 遡上量が少ないうえに、6月から8月の間に減耗したことから、2015年の流下量は期待できないとの考えが示された。
  • 今後の調査では、河口・沿岸部の水温及び河床状況等も考慮すべきであるとの助言が竹門准教授からあった。

村上哲生教授

  • 次年度の研究テーマである「天然アユ漁再生のための河床洗浄実験」についての説明が行われた。
  • 新しい情報提供者(豊田市矢作川研究所職員)の参加についての提案が行われた。
  • 新しい研究の目的を達成するには、頻繁に現地調査を行う必要があるとの助言が竹門准教授よりあった。

竹門康弘准教授

  • 航空写真を用いて発見された、天竜川における持続的な湧水地点が紹介された。
  • また、その様な地点に柔らかい河床を造成することで、産卵が期待できるとの考えが示された。
  • 今年度の実験場で行った、間隙動物の調査についての結果報告が行われた。
  • 調査の結果、カキダヒメトビケラをはじめとする、貴重な生物が多く観察できたとの報告が行われた。
  • 来年度の実験として、竹蛇籠を用いた湧水確保による、アユの産卵場および生息場の造成が提案された。

喜多村雄一

  • 河川環境調査、置土による河川環境改善、アユのマイクロアレイによる濁水影響評価、河床砂礫の洗浄実験についての報告が行われた。
  • 置土については、仮説や目的をもって取り組み、試行錯誤を重ねていくべきであるとの助言が、竹門准教授、高橋農学博士からあった。
  • 本連絡会の今後の方向性について、河川関係者を巻き込みながら、丁寧に活動していくことを確認した。

静岡県経済産業部水産資源局水産資源課 小川主事

  • 今後も本連絡会に参加し、内水面漁業に関する情報収集および情報提供を行いたいとの考えが示された。