最低流量が重要のようだが、アユのライフサイクルのどの時期にあたるのかが重要ではないでしょうか。佐久間ダム後の変化だけ見ていてよいのですか。マイクロアレイは広く行なわれるようになりましたが、きれいな結果にたどりついた例は少なくとも魚では目にしないと思いますが。
講演会では、アユの漁獲高と様々な環境要因の関係を、多変量解析で調べたものをご紹介させていただきました。アユの漁獲高は年間を通じての量であることから、その年の代表的な環境要因との関係を調べることが基本になります。
ご指摘のとおり、アユの生活史の中における環境要因との関係性も、たいへん大切なものと考えています。したがって、遡上量や流下量といった情報も集められれば、その関係性も明らかになってくるものと考えられます。
また、メダカのマイクロアレイを使って、天竜川の河川水により試験を行いました。その結果、詳細は省きますが、メダカの濁水暴露においては遺伝子レベルの影響は余り見られませんでした。このため、まだ世の中にない、アユ(稚魚および成魚を合成)のDNAマイクロアレイの製作に挑戦したわけです。今後、みなさんのご意見を伺いながら、このアレイを使った遺伝子影響評価についてを検討してきたいと考えています。
参考:魚へのマイクロアレイ適用に関する記述
http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/12_kiban/hyouka20/jigo_gaiyo/summary47_aoki.pdf
http://nria.fra.affrc.go.jp/hakko/news51/51-1.html
(電源開発株式会社・喜多村雄一)