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 5月に支流で大量のアユが死んでいるのがみつかりました。また、春野町地区では地滑りも起こりTVの映像では大量の土砂が川に流れたようですが、影響はなかったのでしょうか?

 天竜川支川・八幡川のアユ稚魚の斃死事件は、夜間の酸素不足が原因であると考えられます。流量が少ない時期、河床に大量の糸状藻類が発生しますと、昼間は、藻類の光合成により酸素が飽和濃度以上に増えます。一方、夜や光の弱い日は、藻類やその中に生息している微生物、動物の呼吸により、酸素の消費が大きくなり、場所によっては、魚が生息できる限界以下に酸素濃度が低下します。水に含まれる酸素濃度の上限は、水温が高い程低くなるため、夏の夜明け前に、魚が死ぬ事件がよく起こります。このような河川では、昼間と夜間のpHの差が大きくなりますから、それを目安に危険性を予測することができます。対症的な対策としては、繁茂した藻類の掃除などが考えられますが、適正な流量を維持したり、藻類の栄養である窒素や燐の排出の削減などの取り組みも大事です。
 地滑りの影響は、土砂の流入による濁りとして下流に現れるはずです。天竜漁協が毎日観測している透視度 (濁りの目安) のデータに表れているかどうか検討してみます。

(名古屋女子大学家政学部教授・村上哲生)
(名古屋女子大学家政学部教授・村上哲生)

 支流・八幡川の最下流部でアユの斃死がありました。調査の結果、藻類による強アルカリと酸素欠乏が原因であるとのことです。根本解決には至っておりませんが、次なる事故が起きない様、河川管理者と共に対策をして参ります。
 また、春野町杉川での崩落については行政の対応もあり、現時点での影響はほぼ無いと言って良い状況です。ただ、今後の降雨により濁りが発生したり、更なる地滑りが起こらないとは限らないので、事態の早期鎮静化を願っています。

(天竜川漁協・平野国行)
(天竜川漁協・平野国行)

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