アユの友釣り教室2014(2014年8月3日)

今回は午前9時集合で昼までの約3時間で開催。天候は曇りで時折、雨が降ったが、過ごしやすい気温で川のコンディションもまずまずだった。

 原則的に友釣り初心者を対象とするこの教室、参加者の多くは他の釣り経験はあるものの、友釣りは初めて、あるいは多少の経験だけ、という方がほとんど。友釣り用の長さ約9mの竿や、おとりアユを固定する独特の仕掛けの扱いから学ぶことになりますが、慣れないビギナーにとって簡単なことではありません。昨年は釣り経験のある取材スタッフ自らが挑戦しましたが、おとりアユの扱いに手こずり、見事にボウズ(一匹も釣れないこと)でした。

 そこで、今回は取材スタッフの知人で、10年以上の友釣り経験をもつ女性のIさんを招聘。この「アユの友釣り教室」の楽しさ、あるいは友釣りの面白さを、ベテランの視点で感じてもらうことに。さらには、昨年の雪辱を果さんとする取材スタッフもリベンジ参加を敢行したのです。

写真左:開催場所は雲名橋上流の開けた河原で、川へのアクセスも良好。終了後には河原で焼いたアユの塩焼きが全員に振る舞われた。 写真右:漁協が用意したおとりアユ。これに釣り具一式用意され、参加費は1人1,000円と非常にリーズナブルな内容となっている。

 10年以上のキャリアでもシーズンに1~2回という頻度のため、なかなか進歩しないというIさん。この教室で、名人にしっかり教わり、天竜流の鮎釣りをマスターしたい、との意気込みで臨みました。天竜川は初めてで、「川ごとに、それぞれ(釣りの)スタイルがあるな」と感じたそうです。また、普段Iさんは既製品の仕掛けを使っているのですが、「講師が使っている自作のオリジナル仕掛けは天竜川の鮎や川の状況を知り尽くしているからこそのもの、こうでなくては釣れないのですね」と実感。

 さらに釣り方も、天竜川方式を講師の方から教えていただき、そのアドバイス通りにおとり鮎を泳がせていると、程なく彼女の竿にアタリがあり、記念すべき1匹目をゲット。

 同じく講師の指導のもと、竿を立て糸にテンションを掛けない釣り方で、リベンジ参加した取材スタッフもおとりアユが力強く泳く感覚を実感。その動きをサポートするように竿を動かした結果、待望の釣果をあげることができました。

写真右上:今年の講師は高井茂さん(写真)と高井実さん。 写真左上:さすがベテラン、仕掛けの扱いも手慣れた感じでこなすIさん。
竿を振り始めてから程なくして釣り上げた天竜川での1尾め。危なげなく取込んだ約20cmの美しい魚体に思わずニッコリ。

 その後、Iさんはコンスタントに釣り続け、最終的には当日の参加者の中でも好釣果となる6尾のアユを釣り上げています。この間には、自他ともに認める名人達が入れ替わり立ち替わり指導に登場する有様に。

 何しろ、女性の参加者は珍しい上に、本格装備の友釣り経験者となれば、教え好きの天竜川の釣り天狗が放っておくはずもありません。「名人のお話はさすがに“その通り”と思える内容でしたし、皆さんざっくばらんで親切な方ばかりだったから楽しかったですよ」とIさん。

教え甲斐があるとなれば、ジッとしていられない釣り天狗。講師の他に、漁協の理事や地元の名人まで飛び入り参加する盛況ぶり(笑)。
銀鱗をきらめかせながら、手元に向かって宙を舞うアユ。友釣りの醍醐味を象徴する場面。竿のしなる調子と、網を差し出すタイミングのバランスが求められる、緊張する瞬間でもある。

 連続写真のように手慣れた取り込みを見せるIさんだが、実は『“抜き”(魚を水中から引き上げて手元に寄せる動作)』が上手にできないという。このような点も含めて「自己流ではなかなか進歩しないということが、参加して再認識できました。この教室は年一回の開催だそうですが、(練度を上げたい人のために)もっと頻繁に開催しても良いのではないでしょうか」と、“教わること”の大切さを実感してくれたようです。

  さて、1年越しのリベンジを果たし計3尾を釣った取材スタッフの他に、今回はもうひとり、Iさんと一緒にKさんという男性も参加した。彼は前の週に“マグロを上げた”というほどの海釣りのベテラン。しかし、アユの友釣りは「20年ぶり3回目」というビギナーで、今回は残念ながらのボウズでした。「そう簡単に釣れるとは思っていませんでしたが…。海とは勝手が違うし、なかなか難しかった(笑)。でも、開催地となった川のロケーションが素晴らしく、ビギナーでも苦労せずに良い環境で釣りができる内容には感心しました」とのことでした。(Kさん、ぜひリベンジをお願いします。)

リベンジを果たした取材スタッフ。
左下:堂に入った姿だが、ほとんど初体験のKさん。右下:豪雨の中、地元の名人に指導されるIさん。