2014年6月1日日の出 天竜川アユ解禁!!

伝統ともいえる天竜川のアユ釣り。そのシーズンの幕開けを告げる解禁日には、多くの太公望たちが川にやってくる。今年も爆釣からボウズまで、釣り師の喜怒哀楽が川面に揺れ動きました。

 待ちに待った2014年の解禁日、前日の夜から河原に泊まり込みで場所を確保するアユ釣りファンも少なくなく、夜は仲間同士で一杯やりながらのアユ釣り談義に花を咲かせていたようです。

 解禁当日は時折、初夏の陽射しがのぞく薄曇りという、まずまずの天気。天竜川本流は前日よりやや減水気味ではあったものの水に濁りはなく、瀬の中にずらりと並んだ脚立の数が釣り師の期待を表していました。

 この時期に釣れるアユは、天竜川漁協が放流したものと海から遡上してきた稚アユで、平均的な体長は13cm前後、大きいものでは18cm程度になります。これらのアユは岩に付いた苔を食んで成長していきますが、それまではプランクトンや水棲昆虫などを食べています。したがって解禁の時期はエサ釣りや、水棲昆虫を模した毛針を用いた釣りが主流になるというわけです。また友釣りでは早い時期に遡上し、縄張りを形成し始めた少し大きめの魚体が狙えることになります。

 今年から規則が一部変更になり、船明ダムから鹿島橋までの流域にあった友釣り専用区を廃止し、船明ダム下流域では友釣りに加え、エサ釣り・流し毛針釣り・ドブ釣りも6月1日の解禁となりました。

 さて、天候に影響され不漁だった一昨年の2012年に比べ、好漁だった昨年に続いて期待された今年の解禁日はどうだったのでしょう? 結果からいうと、エサ釣りでは秋葉ダム直下・西川合流点で約100匹、友釣りでは雲名橋上流で53匹という記録が出ており、まずまず平年並という結果になりました。ただ、今年が場所と時間帯でアユの食いにかなりの変動があり、少ない人では数匹、ボウズ(釣果なし)の人も目に付き、かなりムラのある結果になっています。

 実際、午前6時からお昼頃まで、取材班は雲名橋から飛竜大橋の区間にある各ポイントを回りましたが、午前7時以降の時間帯はほとんどの場所で釣果が認められず、少々暗澹たる気持ちになったのも事実でした。

 しかし、雲名橋付近の友釣りで53匹を釣った人は午前5時~7時の時間帯に集中して釣れていたようですし、午前10時を過ぎた頃の渡ケ島では、エサ釣り、ドブ釣りともに入れ食い状態を確認しました。

 そもそも解禁日は、その年の川やアユのコンディションを初めて知る機会です。また、アユにしても、初めて川に遡上してきたわけですから、その環境や釣りエサそのものに慣れていないといえます。このような理由もあって解禁日は例年、釣果に不安定さが付きまといますが、今年はそれが顕著だったといってもいいかもしれません。 この点で、今年の解禁日はいつになく、悲喜こもごもの風景が見られました。
□修行僧よろしく、ひたすら川面に向かって竿を降り続ける人。

□まったく当たりのないエサ釣りの人たちの前で、コンスタントに釣り上げるドブ釣りの人。
□初夏のイベントとして、「川に糸を垂らすだけで満足です」と苦笑いの人。
□竿を振れば入れ食いで「勝負、勝負」と喜ぶ人たち。
□そんな場所を探して、川を遡って釣り場を転々と変えて行く人。
□「1匹も釣れないよ!」と怒り心頭のベテラン。
□「毛針の色はやっぱり赤ですな」と言いながら、黙々とアユを釣り上げて行く老人たち。
□「解禁日だから川に来てみたが、やっぱりダメでした」という普段は海釣り専門の人。
□前夜に飲み過ぎてしまったのか、竿を放り出して岩場で熟睡するオジさん。等々……

 ちなみに取材班も、毛針のドブ釣り(流れの緩い深みで毛針を上下させる釣り方)を短時間の間ですがトライしてみました。残念ながら、釣れたのは外道のオイカワ1匹(涙)。もっとも、かなり適当な仕掛けだったので釣れただけ良しとすべきでしょう。

 天竜川漁協によると、今年の傾向として遡上はやや遅れ気味、量は平年並みといったところだそうです。

 解禁日は人が飛竜大橋よりも上流部に集中しており、このためもあってか釣果も上流部ほど大きなものとなっています。

 これは、事前の放流などからの予測で、友釣りは船明ダム上流部、雲名橋下流部~秋葉ダム下・中島あたり、エサ釣りは船明ダム下流部の塩見渡橋付近や飛龍大橋付近がポイントになると、前日に天竜川漁協のホームページで告知があったせいもあるでしょう。

 また、日の出から午前7時までは釣果があったがそれ以降、午前10時くらいまではパッタリと釣れなくなった時間帯があったとのこと。やはりアユがエサに慣れていないという点は影響が大きく、これがもう少し慣れてくると釣果も変わってくるだろうと予想しています。
同時に、川のコンディションが良好ならば、アユは苔を積極的に食むであろうから、この点でも解禁時期の釣果は予想が難しいようです。このため、今年の解禁日の結果は釣果が0~100匹、魚体のサイズも8cm(それ以下は放流が規則)~18cmと非常に幅のあるものとなったと言えるかもしれません。

 天竜川漁協によって確認されている各ポイントの釣果は以下の通りです。(※天竜川漁協のホームページで閲覧可)

●友釣り
 船明ダム上流域にある雲名橋(友釣り専用区域)付近では、平均すると14~18cmのものが2~15匹程度。しかし、多く釣った人は上流の瀬で30~53匹、下流の瀬で40匹の釣果を上げている。秋葉ダム下の中島では0~12匹ほどの結果。

●エサ釣り
 8~12cm程度のものが、秋葉ダム下の中島で10~40匹。船明ダム下流・塩見渡橋の左岸側で0~20匹、右岸側で2~30匹。飛龍大橋付近では0~40匹、笠匂大橋付近・右岸側で0~30匹と、全体的に低調気味の結果に。しかし、西川合流点では15~100匹、横山川合流点では10~40匹と良い釣果が見られる。
●ドブ釣り
 こちらは、まずまずの釣果が出ていたようで、塩見渡橋下流の右岸側(渡ケ島)で10~50匹、浜北親水公園付近の左岸側で10~30匹という結果に。