第1回 国際友釣り大会 8月7日(日)、『第1回国際友釣り大会』が、静岡県内水面西部連絡協議会(天竜川漁協を含む静岡県西部の9漁協で構成)の主催、釣り具メーカーを中心とした15の関係業種の協賛で開催されました。

 昨年は天候不順で中止となったため、今年は満を持しての第1回開催となった「国際友釣り大会」。会場は天竜川の支流である気田川中流で、大会本部が設置された天竜区春野町の気田川河川敷には、早朝から50数名の参加者が集結しました。

 6:45、天竜川漁協の平野國行大会委員長の開会宣言に続いて来賓の挨拶の後、7:30にオトリが配布され予選がスタート。競技時間は3時間。競技エリアは競技範囲の大会本部を中心とした上下3.5kmの流域で、オトリを手にした参加者はそれぞれ目星をつけたポイントに散らばっていきます。

 大会本部を中心に上流へ2km下流へ1.5kmまでの流域で、参加者は最初に入るポイントの見極めに悩んでいました。午前中はどちらかといえば上流が人気だったようですが、実際はそれほどの差はなく、下流でも規定(オトリ込みで4尾以上)を釣り上げている人が多々見られました。

 天竜川の支流である気田川は、「日本一きれいな川」を自認する清流ですが、今年の県全域でアユが不漁という状況に漏れず、この川でも芳しくない報告があがっていました。そんな中、3時間の奮闘の末に規定の釣果をあげた41名が午後の決勝に進むことになったのです。

午後の決勝から参加の招待選手6名、協議会組合員推薦の9名(地元のトーナメンターや名人)と、午前中の予選を通過した41名が記念写真。午後の決勝に向けて気勢を上げた。

 決勝は、2時間半の競技時間内に釣れたアユの数を競い、同数の場合は釣果の総重量で順位を決定するというルールに変更。ここからトップトーナメンターを始めとする招待選手15名が加わり、計56名が出場。
 招待選手は、全国区の知名度を誇る高橋祐次さん、天野勝利さん、小澤剛さん、井川弘二郎さんといったトップクラスのトーナメンター。これに台湾の釣りインストラクターである黄栄俊さんと黄栄源さんの兄弟、さらに協議会組合員推薦の9名(地元のトーナメンターや名人)。中でも高橋名人の釣技や釣果には関係者だけではなく、参加者や観戦に訪れた人々も興味津々といったところでした。

 参加者は主催者から配給される2尾のオトリ鮎を持って、予選時に釣れた場所、あるいは予選時に釣果があまり見られなかったため荒れていないと予測した場所、それぞれ思い思いのポイントへ移動します。

 気温35℃、湿度80%を超える猛暑日の昼下がりにもかかわらず、川岸には、ごく間近にトップトーナメンターの技を見学できるまたとないチャンスとあって、彼ら目当てのギャラリーも集結。その一挙手、一投足に熱い視線を注いでいました。

 片や川の中ではエキスパートの熾烈な争いが展開。他の競技者のかかり具合を横目で見ながら、竿を持つ手に伝わるオトリの反応やマーカーの動きに注意を払う光景があちこちで見られました。また、少しでも引きが止まると、時間を有効に使うべく他のポイントを求めての移動を繰り返すなど、緊張感溢れる真剣勝負の2時間半はあっという間に過ぎていったのです。

 前述したように、今年は全国の川で鮎が少ない傾向にあり、静岡県下の川でも不漁が報告されています。このため、この大会でもどのくらいの釣果が上がるか心配する声もあったものの、競技が終わってみると高橋名人と地元・袋井市の山下康広さんがともに16匹を釣り上げ、総重量93g差で見事に高橋祐次さんが優勝。また、3位〜5位も13尾と同数で、総重量の僅差で順位が決定するなど、他の招待選手も上位入賞を果たしプロフェッショナルの実力を証明する結果となったのです。

 こうして「第1回国際友釣り大会」は無事終了。来年以降さらに環境が整い、釣果も増え、より多くの人が参加して楽しめる大会に発展していくことを願って幕を閉じました。