アユの肥満度と卵数の関係(受精可能な卵の数)はありますか?
体重と卵数にはかなり密接な関係があります。アユは雌の体重1gにつき約800粒の卵を持ちます。この数字から、かなり精度の高い産卵数が推定できます。肥満度は体の太り具合ですから肥満度が高ければ体重が多くその分卵数も増え、肥満度の低い個体は、同じ長さのものであっても卵数は少ないということなります。
受精可能な卵の数ですが、肥満度が下がってくると栄養状態が悪くなっていくので、恐らく、卵質が若干なりとも低下していると思われます。その場合、産卵してもふ化するまでの卵の死亡率が上がる可能性が高くなる。つまり、肥満度が下がった雌が産んだ卵は、無効な卵になる確率が高いと思われます。
(高橋勇夫農学博士/たかはし河川生物調査事務所代表)