例年だと、すでに4回目の調査となるこの時期ですが、今年は過去3回の調査がすでに中止に。親アユの多さを知るために、下流の掛塚橋上流右岸から秋葉ダムまでの8ヶ所と産卵床造成予定地の河床のハミ跡を調査しました。「経験上、ハミ跡被度が40%以上であれば、友釣りで『まずまず釣れる場所』という判断ができるんです。」(高橋勇夫博士)
また、今回は目視による調査だけでなく、同じ場所で採水した河川水の環境DNA調査も並行して行なわれました。これは、 河川水にどれほどのアユの生存の痕跡(排泄物など)が溶け込んでいるかをDNAレベルで解析するもので、より細かいアユの生存状況が把握できるのです。
※環境DNA分析は時間がかかるため、結果報告は約1ヶ月後になります。ご了承ください。
今回も下流の掛塚橋上流右岸側からスタートしました。例年、水温も高く水の流れが停滞気味で一部淀んでいることの多い下流域ですが、今回は水量も多く、流れも確保され透明度も高くなっていました。が、やはりこの日までの濁りの影響なのか、河床にはハミ跡がほとんど確認できない状態でした。
河口から9km上流の国道1号線橋下流地点です。ここまで上ってくるとようやくハミ跡がチラホラ見えてきます。が、「アユがいれば水際には1mぐらいの幅にびっしりとハミ跡が残っていることが多い」(高橋博士)とのこと。
例年、下流の新幹線鉄橋上流で行われていた産卵床の造成実験ですが、今年は、より産卵に適していると思われる国道1号線橋上流左岸側の瀬付近で行なうことになりました。この日はその現地確認も行われ、多くの陸バミや水位の低いところでのハミ跡から、「このまま濁りが出ないで、いい産卵場環境を保って欲しい」との思いが込められます。