2025年度 第3回 天然アユ資源の再生に取り組む会

◆議事概要

  1. 日 時:2026年2月17日(火) 10:00~12:30
  2. 場 所:電源開発株式会社 NEXUS佐久間建設所、佐久間発電所、佐久間ダム
  3. 議 案:
    1. 開会挨拶(鈴木会長)
    2. 年間スケジュールの確認
    3. 概要(ダム、発電所、NEXUS工事)説明(電源開発)
    4. 佐久間ダム・取水塔 視察(電源開発)
    5. 佐久間発電所・NEXUS工事現場 視察(電源開発)
    6. 第3回取り組む会の講評(鈴木会長)


1.開会挨拶

    (鈴木会長)
  • 今日は、三寒四温の寒に入ってしまい、生憎の天気となりましたが、この度、電源開発さんのお招きにより佐久間発電所の更新工事を視察することができることになりました。なかなか見られる機会がありませんので、勉強したいと思います。本日は、よろしくお願いします。

2.年間スケジュールの確認

  • 前回2025年11月に行われた「第2回 天竜川天然アユ資源の再生に取り組む会」では産卵床の造成ならびにその成果を確認した。今回、2025年度最後の活動となる「第3回 天竜川天然アユ資源の再生に取り組む会」として、NEXUS佐久間計画に関わる佐久間ダム、佐久間発電所の視察を実施する。

3.概要(ダム、発電所、NEXUS工事)説明

    (電源開発:NEXUS佐久間建設所 新井副所長、笹川所長代理、喜多所長代理、太田担当)
  • 佐久間発電所の年間発電電力量は、約14億kWhで、浜松市の一般家庭の年間使用電力量とほぼ等しい量となっている。
  • 佐久間発電所更新工事(NEXUS佐久間プロジェクト)では、4台の発電機を約10年かけて2台ずつ2期に分けて更新する計画である。従来、出水時にダムから放流していた水を活用するため、最大使用水量を306m3/sから350m3/sに増やし、最大出力を350,000kWから400,000 kWに増やす計画である。
  • 最大使用水量の増加に伴い、河川法に従って国へ変更申請をしており、順調に行けば6月末に許可を頂き、7月から工事を行う予定である。
  • この他、取水塔底部に取水ゲート、蓋を設置して、貯水池上部の比較的きれいな水を取水できるように設備を更新し、ダム下流への濁水軽減を図る計画である。(洪水時には下層の濁水を取水して濁水長期化の軽減を図り、洪水が収まったら表層の水を取水し平時は低濁度水の放流とする計画である)

  • (質疑1)
  • 佐久間貯水池は混合型とのことだが、躍層はほとんどできないのか? 底層に低温度層が溜まっていると、取水塔工事時に水位低下により、低温度層が下流に流出してアユの産卵に影響するのではないかを心配している。
  • →佐久間貯水池に流入する年間総流入量は平年では貯水容量の20~30倍と多いため、池原、魚梁瀬等の大規模貯水池でみられる温度躍層は形成され難い。貯水容量に対して年間総流入量が2~5倍程度の大規模貯水池の場合は、表層が温かく下層が冷たいと言った温度躍層が明確に形成されるが、佐久間貯水池は流入量が大きく表層と低層で混合しやすく、躍層は形成されづらい。また、底層に低温度層が滞留するという状態はほとんど無い。更に、取水塔工事期間では、工事に伴う水位低下制約は行わない。渇水時に水位は低下するが、それ以上に低下させる予定は無い。なお、取水塔の底部と、ダム貯水池の底部の間に20m程度の水域が存在する。

4.佐久間ダム・取水塔 視察

    (電源開発)
  • 佐久間発電所の維持管理工事の一環として、放流管呑口周辺の土砂を取り除く工事を実施している。
  • 取水塔底部の取水ゲート、蓋を設置する工事は、発電機と同じく約10年かけて建設予定である。
  • 最大使用水量の増加に伴い、河川法に従って国へ変更申請をしており、順調に行けば6月末に許可を頂き、7月から工事を行う予定である。
  • 既存の佐久間ダム・発電所は、間組と熊谷組が共同請負し、米国のアトキンソン社が技術援助して施工したもの。

5. 佐久間発電所・NEXUS工事現場 視察

    (電源開発)
  • 発電機4台により作成された電気は、開閉所にて東京方面、中部方面、川根変電所方面に送るかを切り替えている。
  • 佐久間電力所では、60Hzと50Hzの両方の発電ができる設備となっている。(両方で発電できる設備を日本で保有しているのは電源開発の佐久間、秋葉第1、第2、第3、佐久間第2発電所のみ)
  • 電気は貯められないので、需要と供給をバランスする必要がある。このため消費者の需要から発電量を調整している。
  • 水力発電所の発電量の調整は、使用水量の調整(ガイドベーン開度)で行う。ガイドベーンは最速で6秒で閉じることができる。

  • (質疑1)
  • 水力発電所にAIは活用されないのか?
  • →出力調整は短時間での検知・制御が必要なので、AIの活用は難しいと思われる。降雨予測などダムへの流入量を高精度に把握することにAIが活用できれば、水資源の更なる有効活用や洪水対応など効果的にダム運用できる可能性が広がり、ダム管理、流入量予測へのAI活用を検討中である。

5.第3回取り組む会の講評

    (鈴木会長)
  • 貴重な施設を拝見させていただき、ありがとうございました。これから10年かけて発電所の更新を実施し、それに伴い選択取水設備も設置されるとのことで、この天竜川にきれいな水、豊かな魚を取り戻すための第一歩だと思います。引き続きよろしくお願いいたします。ご説明を受けて凄いと感じましたが、目に見えないので、なかなか実感が持てない部分もありますが、皆さんも大変勉強になったと思います。本日はありがとうございました。

【出席者】

会 長 鈴木長之 天竜川漁協 代表理事組合長
副会長 恩田千早 電源開発(株) 中部支店長代理(土木担当)
油田健一 電源開発(株) 中部支店長代理(用地担当)
メンバー 平野國行 天竜川漁協 理事・総務委員長
野澤利治 天竜川漁協 理事・業務委員長
鈴木 榮 天竜川漁協 理事・総務副委員長
平野利明 天竜川漁協 理事・業務副委員長
谷髙弘記 天竜川漁協 事務局長(事務局)
田中寿臣 静岡県経済産業部水産・海洋局水産資源課 資源増殖班長
鈴木紀光 電源開発(株) 中部支店用地グループリーダー(事務局)
荒巻亮二 電源開発(株) 中部支店用地グループメンバー(事務局)
三春凜佳 電源開発(株) 中部支店用地グループメンバー(事務局)
奈村佳紀 電源開発(株) 佐久間電力所長代理
アドバイザー 高橋勇夫 たかはし河川生物調査事務所 代表
喜多村雄一 茅ヶ崎水域環境研究所 代表
オブザーバー 日吉菜々子 静岡県経済産業部水産・海洋局水産資源課 主事
記 録 小林英次 (株)J-POWERビジネスサービス エンジニアリング部