第1回天竜川 天然アユ資源の再生に取り組む会

◆議事概要

  1. 日 時:2022年5月12日(木)13:30~14:30
  2. 場 所:雲名橋付近 左岸側
  3. 議 案:
    1. 開会挨拶
    2. 今年度の河床耕耘作業の確認および説明
    3. 第1回取り組む会の講評
    4. その他(国土交通省)
    5. 次回開催の日程調整

1.開会挨拶(中谷メンバー、谷髙メンバー)

  • 本日は、雨の中、ご参集頂きましてありがとうございます。本日は平野会長が体調不良で欠席をしており、代理としてご挨拶させて頂きます。本日は河床耕耘作業の確認を行いますので、よろしくお願い致します。
  • 今年度から新しいメンバーとして、国土交通省の船戸様にかわり田中様、静岡県の小泉様にかわり鈴木様が加わりました。本日、鈴木様は欠席です。

2.今年度の河床耕耘作業の確認および説明

  • 本日は河川の礫に付着したシルト分を剥がして、アユの好む藻を更新するため、ブルドーザーによる河床耕耘作業を行っている。(事務局)
  • 本日は雨の予報もあったので、昨日から河床耕耘作業を急いで行っている。この作業で河床が平らになってしまったので、現在、アユが好む、ステップアンドプールにするために、バックフォーで河岸の石を入れる作業を行っている。(事務局)
  • これから週末にかけて大雨になる予報なので、投入した石が流される恐れもあるが、より自然な状態になることも期待される。(事務局)


  • (潜水して観察すると)河床耕耘作業は、ブルドーザの3つの爪(リッパ)を使って行ったが、それぞれの爪(リッパ)の間隔が広かったこともあって、河床の石を起こせていない部分も多くあった。それを補うために、ブルドーザの排土板を下ろして、河床の攪拌を行っている。結果として、シルトの除去はできたものの、排土板を使った「均し作業」と同じなので、河床がフラットになってしまった。このような長い瀬で、河床がフラットになってしまうと、アユが定着しにくくなる。アユの定着を促すという面からは、瀬の中の勾配を変化させ、トロ状にゆるく流れる部分と、波立ちがある速い流れの部分を作り、変化を持たせる方が良いのだが、短い時間ではそこまでできないので、現在、河床に起伏を持たせて、流れに変化を付ける目的で、砂州にある巨石を投入する作業を行ってもらっている。欲を言えば、流れ幅に変化を持たせ、絞られて深く速く流れる部分や、浅くチャラ瀬状に流れる部分も作れると良いのだが、今回の作業ではそこまでは難しい。今後、アユの分布調査も定期的に行うので、工事に対するアユの反応はそちらの調査から検証したい。(高橋アドバイザー)
  • 河床耕耘によって、礫の表面が磨かれたのを確認したが、アユが耕耘後の河床を好むかは、今後、観察する必要がある。(有川アドバイザー)
  • 自然の瀬の河床は、出水で小さな石が流下し、大きな石が残って表層を覆う(アーマ層ができる)ことで安定している。耕耘後の河床は表層の石がほぐされて、出水で流されやすくなっている。表層に大きな石がなくなってしまうと、アユが好む「河床の凹凸」もなくなる恐れがある。このため、大きな石を入れて変化を持たせることが望ましい。(有川アドバイザー)
  • 河床耕耘後、最終的にどんな河床形状を目指すのかを、今後、検討していくことが望ましい。(有川アドバイザー)
  • 耕耘によって表層のアーマ層が破壊されると河床が下がる可能性がある。河床が下がると川の主流路の位置が変わる。このことは、下流河道のみお筋位置にも影響していくので、「耕耘箇所における主流路の位置変化が下流のアユ漁場にとって良いことなのかどうか」という視点も入れながら耕耘方法を考えていく必要がある。(有川アドバイザー)

3.第1回取り組む会の講評

  • 本日はお疲れ様でした。今後も高橋アドバイザー、有川アドバイザーのご指導を頂きながら、天竜川をより良い川にしていきたいと考えています。今後も暖かい助言を頂きながらこの会を進めていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。(中谷メンバー)

4.その他(国土交通省)

  • 国土交通省では、天竜川のワンドの調査(15箇所)を行っている。今後も、河川保全の為、情報提供、情報交換を行っていきたいと考えている。

5.次回開催の日程調整

  • 次回は8月に産卵床造成の候補地の選定を行う。日程については、先ず天竜川漁協と電源開発㈱で候補日を決めて、日程調整を行う。(事務局)

【配布資料】

  • 天竜川天然資源アユ資源の再生に取り組む会 名簿
  • 「天竜川天然資源の再生に取り組む会」年間スケジュール
  • 天竜川天然資源アユ資源の再生に向けた取り組み -河床耕耘試験計画-

【出席者】

メンバー 中谷 勲 天竜川漁協 理事・総務委員長
鈴木長之 天竜川漁協 理事・業務委員長
平野利明 天竜川漁協 理事・総務副委員長
野澤利治 天竜川漁協 理事・業務副委員長
谷髙弘記 天竜川漁協 事務局長
田中裕太 国土交通省河川国道事務所 調査課長
野々村誠一郎 電源開発(株) 中部支店副支店長
鈴木紀光 電源開発(株) 中部支店用地グループリーダー
市川雅典 電源開発(株) 中部支店用地グループメンバー
小太刀理久 電源開発(株) 中部支店用地グループメンバー
森山貴彦 電源開発(株) 佐久間電力所長代理
アドバイザー 高橋勇夫 たかはし河川生物調査事務所代表
有川 崇 近自然河川研究所
記  録 小林英次 (株)J-POWERビジネスサービス 社会環境部 部長代理
石井健一 (株)J-POWERビジネスサービス 社会環境部 メンバー