▲バックフォーで左岸側を一度せき止めて本流の流れを右岸側にずらし、水量が減った左岸側の河床で実験は行なわれた。右が上流。
ブルドーザーを用い、アユの成育に欠かせない、アユの餌となるミズゴケ・ミズアカと呼ばれる珪藻や藍藻が河床の礫に付着できるように、礫の表面から藻類の付着を阻む糸状緑藻類を除去する実験です。以下の3つの効果が期待されます。
以上の実験が下図の雲名橋上流左岸域のエリアで行われました。
▲リッパーの威力は絶大。河床の礫がどんどん撹拌、掘り返されていく。
▲今回使用したブルドーザーは「コマツD65EX」。リッパーが装着できる最も小型のブルドーザーだ。
実験は、まずブルドーザーの後部に備え付けられたリッパー(爪)で1区画(幅10m長さ50m)ごとに走行して下流方向に河床を撹拌。次にブルドーザーを反転させスタート位置まで戻り、ブレードを降ろして後退しながら下流方向に河床を馴らす、という行程を合計4区画分、合計200mに渡って耕耘をかけました。
実験は23日~24日の2日間に渡って行われ、翌週以降、河床の藻類の付着状況の調査・分析が村上哲生中部大教授研究室で行われます。施工後のアユの餌となる珪類、藍類の付着状況や、それを阻害する糸状緑藻類や今回初めて発見された苔類の成育状況をはじめ、昨年まで行なっていた水圧ポンプによる河床洗浄方法との比較などが報告される予定です。
▲実験後の河床の様子。糸状緑藻類が剥がされ個々の礫の自然な色が蘇っている。中央右や手前右には藻類の付着していない裏面が現れた礫も見える。